訪問鍼灸マッサージの仕事とは?
ひとえに施術家といっても、職種は様々です。「どんな職種を選べばいいの……?」と悩んでいる方に、施術家の職種をご紹介いたします。
訪問鍼灸マッサージ
仕事の内容




ご利用者様のご自宅や介護施設に伺って施術を行います。対象者は外出や歩行が困難な方でほぼ後期高齢者になります。1日の訪問件数は平均7~8件。ご利用者様お一人おひとりの異なる疾患や傷病、生活環境に向き合い、治療だけでなく、笑顔溢れる在宅生活を支えられることを目指しています。
そのため、ケアマネジャーや介護サービス事業者との協働や連携を大切にし、在宅生活や施設生活を支えるチームケアの一員として地域で活躍しています。
施術の効果を実感していただくには、ご利用者様はもちろん、ご家族様との信頼関係がとても大切になります。担当いただくご利用者様に心の通った治療を続けてもらえるように、複数人で担当するのではなく、施術家としてしっかりとお一人おひとりと向き合うことのできる環境です。
ご利用者様の自己負担は、施術する部位数などにより異なりますが、施術料金の1割程度なので、1回あたりの平均ご利用額が300円~450円と非常に負担が少ないこともあり、満足度・継続性ともに非常に高いサービスといえます。
メリット
- 日中の仕事がメインなので、基本的には9時~18時の勤務が主で残業はほぼありません。
- 1人のご利用者様に対して週に数回と長く携わります。
- 様々な症例を経験できるためスキルアップできます。
- 稼ぎたい人は頑張り次第で収入を増やすことも可能です。
デメリット
- 訪問する必要があるため、車やバイク、自転車、公共交通機関等での移動が必要となります。
- 訪問ありきの日中のみでのお仕事なので、1日の施術件数に限界があります。
- 日々きちんと施術報告書をまとめる必要があります。
- 技術ももちろんですが、コミュニケーションが苦手な方は、ご利用者様が付かないことがあります。
治療院
仕事の内容
メリット
- お客様が多いと歩合で稼げます。店舗によっては昇進や収入アップも期待できます。
- 独立・開業に向けた準備がしやすい環境に身を置けます(技術力・経営力の向上)。
- 保険取り扱いでなければ、レセプト処理等の煩わしい業務にかかわる必要がありません。
デメリット
- 多くの治療院が開業し競争が激化しており、競争に勝つために勤務環境が変化する場合もあります。
- 夜遅くまで開いている治療院も多く拘束時間が長いことや休日が少ないことが多いです。
- 展開する店舗が多ければ、転勤がある可能性があります。
病院
仕事の内容
メリット
- 指導・教育や、キャリア開発の制度があり、福利厚生などの待遇面もしっかりしています。
- 医師・看護師・PT(理学療法士)など、いろいろな方とかかわるため、多方面からの知識・見識が身につきます。
- 運動療法・筋力トレーニング、機能訓練のスキルや、医療機器の取り扱いを覚えることができます。
デメリット
- PT(理学療法士)が主体になるため、指示を受けてから動くことになり、主体的に動くことができません。また、チーム医療に組み込まれない場合もあります。
- 1人の患者様とかかわる時間が限られていることが多くなります。
介護施設
仕事の内容
メリット
- 施設に勤務医・往診医がいて、担当のケアマネジャーも勤務しており、ご利用者様の情報の共有が密にできます。
- 施術の知識だけでなく、介護に関する知識・技術を習得することができます。
- あん摩マッサージ指圧師として実務経験を5年積めば介護支援専門医の受験資格が得られます。
デメリット
- 希望者が多い場合は、施術時間の短縮や、入居者全員を対応できない場合もあります。
- 移乗介助のスキルなど、介護に関する知識・技術も必要になります。
- 事務作業等の一般業務やイベントの手伝いなど、施術以外の業務を任される場合もあります。
独立・開業
仕事の内容
メリット
- 自宅を拠点に1人で開業でき、新たに店舗を構えなければ開業資金は抑えられます。
- 自分のお店なので、ルールは自分で決められます。
- 施術ができる限りは生涯現役で働くことも可能です。
- 経営者として施術は行わずに、人を雇ったりお店のマネジメントを行うなど、立場を変えて継続していくことも可能です。
デメリット
- ご利用者様の獲得をゼロから行うため、収入を得るのに時間がかかります。
- 保険診療をする場合、面倒なレセプト処理や申請などの事務関係が発生します。
- 開業しようと思ってもどうやってお店を始めればよいのか、必要な申請や書類、期限、収入など考えなければならないことがたくさんあるため、悩んでしまうことが多いです。
FC(フランチャイズ)での開業
仕事の内容
メリット
- 事業経験が無くても、運営や経営のアドバイスが受けられます。
- フランチャイズチェーンの知名度やイメージを活用できます。
- 良い・悪いの情報共有があるため、最初から軌道に乗せられる確率が高くなります。
- 保険診療のレセプト処理や支払い代行などをフランチャイズ本部が行っている場合は、事務やキャッシュフローなどの面でも支援を受けられます。
デメリット
- 加盟金やロイヤリティ等が必要です。
- フランチャイズチェーン内で不良店が出ると、その影響を受け、他の店もイメージダウンしてしまう可能性があります。
- 本部へ依存し過ぎて、経営努力や営業努力を怠る場合も。
- 標準化されたシステムの場合は、創意工夫の余地が少なく店舗の独自性を出しにくい可能性も。